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ゼロになる前の話

日常とかインターネッツとかの雑記

記憶を辿る謎解き

2016年4月17日。

祖父母の家の遺品整理をしていた。

祖母の古い机の引き出しから、一冊の手帳が見つかる。

パラパラめくっていると、「くすんだ桜色の径3cmくらいの小皿を、大切な人にもらう」と書いてあるのに気付く。

食器棚は昨日一日かけて母が済ませたはずだ。

少し気になって食器棚を探すが、それらしいものは見つからなかった。ダイニングはすっかり片付いており、テーブルの上にも物一つなくなっていた。

 

翌日はよく晴れていた。

今日は友人が二人手伝いに来てくれるという。二人とも幼い頃から親しく、私の祖父母の家にも遊びに来ていた仲だ。

祖父の書斎を片付ける予定だ。

チャイムが鳴り、門まで迎えに行き、友人たちと玄関のドアを開けると、目眩がして世界が回転するような気分になる。

気がつくと、そこは祖父の書斎だった。

友人二人も同じように、目眩がして、いつのまにかここにいたと言う。

ドアは開かず、足元には数字が書いてある。

窓の外は靄がかかったように真っ白だ。

なにか、不思議なことが起きているとわかった。

 

祖父の部屋をよくよく見渡すと、昨日覗いた時より物が少ない。

机の上には手帳があり、見てみれば、祖父の生前、60歳ごろの日にちで止まっている。

ドアの足元の数字が頭によぎった。

19××0307

もしかしてここは、「その時」の部屋なのではないか。

気付いてからは早かった。

三人とも脱出ゲームの類は大好きで、よく遊んでいたから、何かキーとなるものを探すしかないと思った。書斎のドアには鍵はついていないので、何か、アイテムを見つければいいのだと。

手帳によると、数日前に祖母から大切な貰い物をしたという。

この「貰い物」を探せばよいのではないか。

手分けして探す。

鞄の中、棚の中、机の下、すべての引き出し、どこにもない。

ふと、壁に飾ってある写真に目がいった。写真のには祖母と祖父が並んでおり、祖父は万年筆を握っていた。日付は祖父の誕生日……その、祖母から貰い物をした日付だ。

誕生日プレゼントに万年筆をもらったのだ!

 

また三人とも目眩がして、気がつくと、祖父の友人の部屋にいた。

映画が好きで、よく祖父とビデオを貸し借りしていた仲だ。そう説明すると、友人はすぐ「そのビデオを探せばいいんだな」と理解した。

部屋には大量のビデオがあったが、すぐに見つかった。

怪獣もの。祖父が好きだった作品。私が幼い頃によく見せてくれた映画だ。

そして、目眩がした。

 

そうやって、目眩と探し物を繰り返し、幼い頃に祖父母に抱かれた日々を思い出していた。

 

何度目かの目眩が治ったとき、ドアの足元の日付は20160416、現実での一昨日の日付になっていた。

場所はダイニング。

食器棚だ。すぐに気付いた。昨日のすっきり整った食器棚とは思えないほど、パンパンに食器が詰まっている。

祖母は食器集めが趣味だったのだ。

友人と手分けして探す。「くすんだ桜色の径3cmくらいの小皿」。

それは、食器棚の一番上の段から見つかった。大切に紙に包まれていたその小皿は、箸置きのように小さく、桜の花びらのかたちだとギリギリわかるほどに歪だった。

小皿の裏には、名前が彫ってあった。祖父の名だ。

祖父が作ったものだった。

 

長い目眩が終わると、晴れた日差しの中だった。三人で、玄関のドアの前にいた。

 

祖父母の家には、思い出のつまったものがたくさんあった。

祖父が祖母から貰った万年筆、小さい頃によく見せてくれたビデオ、そして、ダイニングのテーブルの上には、あの小皿があった。

 

友人たちと不思議なこともあるもんだなと話し、祖父の書斎の整理を始めた。

思い出話に花を咲かせながら。

 

……

 

という夢を見ました。

夢で謎解きなんてすごく大変で、起きた時の疲労感はすごかった。二度寝したくらいに。

でもなんかすっきりする夢でした。